本文へ移動
Laravel Tips

インストール

Laravel を使いはじめるために必要な道具、プロジェクトの作り方、最初の設定、Herd や Laravel Boost の使い方、次に読むとよいページを説明します。

Laravel(ララベル)は、Web アプリを作るための「フレームワーク」です。フレームワークとは、アプリの骨組みと出発点をあらかじめ用意してくれる道具のことです。家づくりでいえば、柱や基礎ができた状態から作りはじめられるようなものです。このページでは、Laravel を使いはじめる手順を順番に説明します。

Laravel とは#

Laravel は、読みやすく書きやすい書き方を大事にしたフレームワークです。依存性の注入(必要な道具を外から渡してもらうしくみ)、データベースを扱うしくみ、キュー(時間のかかる仕事の順番待ちの列)、決まった時刻に処理を動かすしくみ、テストの機能などがそろっています。PHP の Web フレームワークをはじめて使う人にも、経験の長い人にも合うように作られています。

なぜ Laravel なのか#

公式ドキュメントでは、Laravel の特長を次の4つにまとめています。

特長 説明
少しずつ成長できる(プログレッシブ) はじめての人には、ドキュメントや動画の学習教材が助けになる。経験者には、依存性の注入・テスト・キュー・リアルタイムのイベントなどの強い道具がある
大きくできる(スケーラブル) PHP の性質と、Redis のような速いキャッシュ(何台ものサーバーで分けあえるもの)に対応しているおかげで、サーバーの台数を増やして広げやすい。月に何億ものリクエストをさばいた例もある
AI を使った開発に向いている 決まりごとと構造がはっきりしているので、AI に「コントローラーを足して」と頼んだときに置き場所が分かる。命名や置き場所が予想できる
みんなで育てている(コミュニティ) PHP の良いパッケージを組み合わせ、世界中の開発者が改良に協力している

もっと大きな規模で動かしたいときは、Laravel Cloud のように、Laravel のアプリをほぼ限りなく大きく動かせるサービスもあります。

アプリを作る前に#

AI にまかせて始める#

Claude Code や OpenCode のような、AI のコーディング支援を使うなら、最初に次の文を AI に貼りつけると、Laravel の手順にそって案内してくれます。

text
I'm building a new Laravel application.

Fetch and follow the instructions from https://laravel.com/for/agents. Treat the returned Markdown as the source of truth for how to install and set up Laravel in this session.

読み込んだあと、AI は Laravel の既定の設定に沿って、1つずつ進め方を案内します。

PHP と Laravel インストーラーを入れる#

アプリを作る前に、自分のパソコンに次の道具が必要です。

道具 役割
PHP Laravel を動かす言語
Composer PHP の部品(パッケージ)を入れる道具
Laravel インストーラー laravel new で新しいアプリを作る道具
Node と NPM、または Bun 画面の CSS や JavaScript をまとめる(コンパイルする)ための道具

PHP と Composer がまだ無いときは、次のコマンドで PHP・Composer・Laravel インストーラーをまとめて入れられます。自分の OS に合うものを使ってください。

macOS の場合です。

bash
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://php.new/install/mac/8.5)"

Windows(PowerShell)の場合です。

powershell
# 管理者として実行する...
Set-ExecutionPolicy Bypass -Scope Process -Force; [System.Net.ServicePointManager]::SecurityProtocol = [System.Net.ServicePointManager]::SecurityProtocol -bor 3072; iex ((New-Object System.Net.WebClient).DownloadString('https://php.new/install/windows/8.5'))

Linux の場合です。

bash
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://php.new/install/linux/8.5)"

実行したら、ターミナルを開き直します。あとで PHP などを更新したいときは、同じコマンドをもう一度動かします。

PHP と Composer がすでにあるなら、Composer で Laravel インストーラーだけを入れられます。

bash
composer global require laravel/installer

補足

画面操作で PHP を入れたり管理したりしたいときは、あとで説明する Laravel Herd が使えます。

アプリを作る#

道具がそろったら、新しいアプリを作ります。example-app はアプリの名前なので、好きな名前にできます。

bash
laravel new example-app

作り終えたら、アプリのフォルダに入って、次のコマンドを動かします。Laravel の開発用サーバー、キューのワーカー(列から仕事を取り出して動かすプログラム)、Vite の開発用サーバー(CSS と JavaScript をまとめる道具)が、まとめて立ち上がります。

bash
cd example-app
npm install && npm run build
composer run dev

起動したら、ブラウザで http://localhost:8000 を開くとアプリが見えます。

補足

開発の出だしを楽にしたいときは、スターターキットが使えます。ログインまわりの画面と処理があらかじめ用意されます。

最初の設定#

Laravel の設定ファイルは、すべて config フォルダにあります。各項目に説明が書いてあるので、眺めてみるとよいでしょう。ほとんど追加の設定をしなくても、すぐに開発を始められます。ただ、config/app.php には、アプリの URL を決める url や、言語を決める locale などがあるので、必要に応じて見直します。

環境ごとの設定(.env)#

手元のパソコンと本番のサーバーでは、変えたい設定値がたくさんあります。そのため、大事な設定値の多くは、アプリの一番上にある .env ファイルに書きます。

.env は、Git(ソースコードの変更を記録して残す道具)には入れません。理由は2つあります。1つは、開発者やサーバーごとに中身が違ってよいからです。もう1つは、もし悪い人がソースコードの置き場所に入りこんだとき、パスワードなどの秘密まで見られてしまうからです。

補足

.env のくわしい話は、設定と .env のページを見てください。

データベースとマイグレーション#

アプリを作ったら、たいていデータを保存したくなります。既定では、.env が SQLite(1つのファイルで動くデータベース)を使うように書かれています。アプリを作るときに、Laravel は database/database.sqlite というファイルを作り、表を作るのに必要なマイグレーション(データベースの表を作ったり変えたりする手順書)も動かしてくれます。

MySQL や PostgreSQL のような別のデータベースを使いたいときは、.env の DB_* の値を書き換えます。たとえば MySQL なら、次のようにします。

ini
DB_CONNECTION=mysql
DB_HOST=127.0.0.1
DB_PORT=3306
DB_DATABASE=laravel
DB_USERNAME=root
DB_PASSWORD=

SQLite 以外を使うときは、自分でデータベースを作り、そのあとマイグレーションを動かします。

bash
php artisan migrate

マイグレーションのくわしい話は、マイグレーションのページにあります。

補足

macOS か Windows で、MySQL・PostgreSQL・Redis を手元に入れたいときは、Herd Pro や DBngin というサービスが使えます。

公開するフォルダの決まり#

Laravel は、Web サーバーに設定した「公開フォルダ(Web ディレクトリ。外から見えるフォルダ)」の一番上に置いて動かします。公開フォルダの中の、さらに下のフォルダ(サブフォルダ)から動かしてはいけません。

注意

サブフォルダから動かすと、アプリの中にある見せてはいけないファイルが、外から見えてしまうおそれがあります。

Herd で始める#

Laravel Herd は、macOS と Windows で使える、Laravel と PHP の開発環境です。PHP と Nginx(Web サーバー)が入っているので、入れればすぐ開発を始められます。php・composer・laravel・expose・node・npm・nvm のコマンドも使えます。

補足

有料の Herd Pro では、手元の MySQL・Postgres・Redis の作成と管理、メールの確認、ログの監視もできます。

macOS の Herd#

Herd のサイトからインストーラーを取ってきて入れます。インストーラーは最新の PHP を取ってきて、Nginx がいつも裏で動くように設定します。

Herd は「パーク(置き場所の登録)」されたフォルダに入れた Laravel アプリを、自動で表示してくれます。既定では ~/Herd がパークされていて、フォルダ名に .test を付けたドメインでアプリを開けます。このドメインで開けるようにするために、Herd は dnsmasq という道具を使います。

Herd を入れたら、Herd に付いてくる Laravel のコマンドで新しいアプリを作るのが最短です。

bash
cd ~/Herd
laravel new my-app
cd my-app
herd open

パークするフォルダや PHP の設定は、メニューバーの Herd のメニューから開く画面でも変えられます。

Windows の Herd#

Herd のサイトから Windows 用のインストーラーを取ってきます。入れ終えたら Herd を起動して、最初の設定を進めます。画面は、システムトレイの Herd のアイコンを左クリックすると開きます。右クリックすると、毎日使う道具がそろったメニューが出ます。

インストールのときに、ホームフォルダの %USERPROFILE%\Herd がパークされます。ここに入れた Laravel アプリは、フォルダ名に .test を付けたドメインで開けます。

Windows では、PowerShell を開いて次のコマンドを打ちます。

powershell
cd ~\Herd
laravel new my-app
cd my-app
herd open

エディタの対応#

エディタ(コードを書く道具)は好きなものを使えます。Laravel LSP は、エディタに Laravel の知識を足す道具です。入れると、Laravel と Blade のコードで次のことができるようになります。

  • 入力の続きを候補に出す(補完)
  • マウスを重ねると説明が出る
  • まちがいを知らせる(診断)
  • リンクをたどる・定義へジャンプする
  • かんたんな修正

Composer で、パソコン全体で使えるように(グローバルに)入れます。そのとき、Composer のグローバルな vendor/bin フォルダが PATH(コマンドを探す場所)に入っているかを確かめてください。

bash
composer global require laravel/lsp
エディタ 説明
VS Code・Cursor 公式の Laravel VS Code 拡張と組み合わせる。色分け・スニペット(よく書く形のひな形)・Artisan の操作・Laravel LSP の自動対応が入る
Sublime Text・Zed 公式の拡張がある
Neovim・OpenCode など Laravel LSP のリポジトリに設定方法がある
PhpStorm JetBrains 社のエディタ。Blade・Eloquent モデル・ルート・ビュー・翻訳・コンポーネントの補完や、コードの生成と移動が使える
Firebase Studio ブラウザの中で Laravel を作れるクラウドの環境。準備なしで、どの端末からでも始められる

Laravel と AI#

Laravel Boost は、AI のコーディング支援と Laravel のアプリをつなぐ道具です。Laravel 向けの情報・道具・ガイドラインを AI に渡して、バージョンに合った正しいコードを書いてもらいやすくします。

Boost を入れると、AI は15以上の専用の道具が使えます。使っているパッケージを知る、データベースに問い合わせる、Laravel のドキュメントを検索する、ブラウザのログを読む、テストを作る、Tinker(Laravel を対話で動かす道具)でコードを動かす、などです。また、入れているパッケージの版に合わせた、1万7千件以上の Laravel 関連のドキュメントを AI が引けるようになります。Laravel 側が整えた、決まりごとに沿うためのガイドラインも入っています。

Boost を入れる#

Boost は、PHP 8.1 以上で動く Laravel 10・11・12・13 のアプリに入れられます。開発のときだけ使う部品として入れます。

bash
composer require laravel/boost --dev

入れたら、対話式のインストーラーを動かします。

bash
php artisan boost:install

インストーラーは、使っているエディタと AI を自動で見つけ、使いたい機能を選ばせてくれます。もとからあるプロジェクトの決まりを尊重し、書き方の決まりを無理に押しつけません。

補足

Boost のくわしい話は、GitHub の Laravel Boost のページにあります。

自分の AI ガイドラインを足す#

自分だけのガイドラインを Boost に足したいときは、アプリの .ai/guidelines/* フォルダに、.blade.php か .md のファイルを置きます。boost:install を動かしたときに、Boost のガイドラインといっしょに取りこまれます。

次に読むページ#

アプリを作ったら、まず Laravel のしくみを知るために、次のページを読むのがおすすめです。

このあとの進め方は、Laravel をどう使うかで変わります。代表的な使い方を2つ紹介します。

フルスタックのフレームワークとして使う#

リクエストの振り分けも画面づくりも、まとめて Laravel でする使い方です。画面は Blade テンプレートで作るか、Inertia のような技術と組み合わせて作ります。Inertia を使うと、シングルページアプリ(ページを切りかえずに画面の中身だけを書きかえるアプリ)のような画面になります。いちばんよくある使い方です。公式ドキュメントは、いちばん効率よく作れる使い方だとしています。

この使い方なら、画面(フロントエンド)の作り方・ルーティング・ビュー・Eloquent の基本のページが役に立ちます。Livewire や Inertia といったコミュニティのパッケージを使うと、シングルページアプリのような画面を作れます。CSS と JavaScript をまとめる Vite も覚えておくとよいでしょう。

補足

出だしを楽にしたいときは、公式のスターターキットが使えます。

API の裏側として使う#

画面は JavaScript のシングルページアプリやスマホアプリで作り、Laravel は API(ほかのプログラムからデータを受け取る窓口)の裏側として使う方法もあります。たとえば Next.js のアプリの裏側として使えます。ログインの確認とデータの保存・取り出しを Laravel が受け持ちながら、キュー・メール・通知などの機能も使えます。

この使い方なら、ルーティング・Laravel Sanctum(ログインの確認をするパッケージ)・Eloquent の基本のページが役に立ちます。

関連するページ#

公式ドキュメント(英語)

2026年10月5日時点の内容をもとに、日本語でまとめています。

ページの一覧